コガネセンガン(黄金千貫)
清酒に山田錦や五百万石などの酒造好適米があるように、焼酎にも酒造専用いもがありそうですが、じつは、ジョイホワイトの登場まで、焼酎の原料となるいもは、でんぷん用や食用の兼用種ばかりでした。
現在、焼酎の原料として使われるさつまいもの代表種がコガネセンガンです。
コガネセンガン(黄金千貫)は、表面が黄金色で多収性であるところから、この名がつけられました。
鹿児島県では最もポピュラーなさつまいもの品種で、栽培面積のおよそ半分を占めるほどです。
でんぷん含有量が約25パーセントと多く、でんぷん原料、焼酎原料として用いられるほか、食べておいしいので青果・焼きいも用としても出荷され、万能型のさつまいもといわれています。
コガネセンガンは、「鹿系71120」という日本のさつまいもを母とし、「L-4-5」というアメリカのさつまいもを父として九州で生まれました。
何年もかけて栽培試験が行なわれ、昭和41年(1966)に「農林31号」として農水省に品種登録されました。
コガネセンガンは種苗法にもとづく登録名なのです。戦後開発された品種は、このように二つ名をもつものが多いのですが、種苗法による登録名が世間一般にに知られることとなりました。
デビュー以来33年、コガネセンガンは、それまで主流だった「農林二号」(でんぷん含有量約23パーセント)に代わり、焼酎原料の王者になりました。
ほかに、シロユタカ、シロサツマ、ペニアズマ、ペニハヤト、ペニサツマなど、焼酎原料になっている品種はいろいろありますが、なんといってもコガネセンガンの利用が最も多いのです。
その理由として、豊富なでんぷん量のほか、きわめて生育がよく、害虫にもやや強く、いもの肥大が早期から始まり、たくさん収穫できる、と栽培の利点も大事な理由です。
コガネセンガンから生まれた焼酎
ところで、焼酎を造るのにどれくらいの量のさつまいもが必要なのでしょう。
一般に、一升ビン1000本分のいも焼酎には、さつまいもが2トンほど必要といわれますが、これはあくまで目安です。
品種や作柄によってでんぷん含有量が違ううえ、製法によって必要となる総量も異なるので、いちがいにはいえませんが、一応の目安になります。
そんな中、いも焼酎に力を入れる蔵のなかに契約栽培や自家栽培を取り入れたところがふえています。良いいもを確実に入手したいとの願いからです。 自ら畑に出て作業する蔵元は、「とことん納得のいく酒造りをしたいから」と口をそろえていいます。






